シフォンのスカートサルスベリ

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  菫は言った

  赤いスカートが揺れてるよ

  白い蝶がスカートにもぐったよ

  可愛いね!

  あれから両手で数え切れないほどの年月が過ぎた

 

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秋海棠

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     ”チュウカイド” 大チュき!

     あの日 菫は無邪気にくわえていた

     シュウカイドウの幹を・・・・・

     酸っぱいものが好きだったね

     花びらに幼い日の妹の笑顔が重なる

 

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寄り添ってそして・・・

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     小さな花が寄り添って咲く

     その花に小さな虫が寄り添って

     幼い日の茜は小さな物を見ると言った

     菫のようだね

     菫は可愛い茜の妹 

     

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初めての潮干狩り

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   修学旅行

   山国で育ったから潮干狩りを知らない

   海に入れるただそれだけで有頂天だった・・・

   貝は殆ど拾えなかったけれど

   そんな事はどうでも良かったあの日

 

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あの日輝いていた!

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  昭和29年

  あの頃の私たちは輝いていた

  今のように贅沢は出来ない時代だったけれど

  上級生と戦ってドッジボール大会で優勝した日

  クラスはひとつになっていた

 

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ドッジボールは石拾いの後で・・・

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    昭和29年 小学校のグランドの端の広場

    草取りをして・・・・・石を拾って・・・・・

    重いローラーを引いて・・・・・

    さあドッジボールの練習

    クラスマッチが近い・・・!

 

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お稚児さん

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     その頃

     4月7日は村祭りの日

     お宮では稚児の舞い

     つづみの音と舞うたびに鳴る鈴の音が

     今も耳の底に残る

 

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ビロージュのバッグ

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ビロージュの皮を編みこんだかかえバック

作り手の心が沁み込んだ妹の新婚旅行土産

夢だった沖縄へのたび

あれからもう何十年が過ぎただろうか・・・

妹は今パートナーをなくして思い出の中に生きている

 

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パンパスグラス

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       かくれんぼに興じる幼い姉妹

       そっと隠れたら姿はもうない

       大きな大きなパンパスグラスの陰・・・・・

       まるで昔の茜と菫

       時を越えて戻ってきたかのように

 

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おやき(^◇^)!

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  幼い頃

  母の手造りで姉妹で食べた思い出の”おやき”

  今では信州のお土産で有名だけれど・・・・・

  お土産に頂いたおやきに

  蘇る幼い日の思い出の数々

 

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昭和29年夏・・・・・よき時代!

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          信州は奈良井川

          水遊びに興じるのは児童

          これも授業中の出来事

          先生と一緒

       今 こんな姿は見られない・・・よき時代!

 

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昭和29年二見ヶ浦

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    あの時嬉しかったな!

     海のない村で育った私

       この風景が素晴らしく思えた

    あれから何年が過ぎたかしら?

    再び訪れてあの日の感激を思い出した

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初めてのバレーボール

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           小学校のグランド

       初めてバレーボールを手にした

 まだバレーボールがどんな競技なのかさえ知らなかった

             9人制だった

     それがバレーボールに取り付かれた第一歩

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いたずらっ子達

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     セーラー服と

     詰襟と

     羽織袴の先生と・・・

     お別れと進級と・・・

     あの頃 茜の夢は先生になることだったが。。。

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菫の好きなイチゴ

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     イチゴが熟れると

     我先にとつまんでしまう

     弟が2人いて姉と4人兄弟だった

     菫は人一倍機敏だった

     計画性もあった それが苦労の始まりでもあった

                つづく

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茜小学校へ入学

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   写真に慣れていなかった

   どの子も緊張でコチコチ・・・・・

   振袖で入学式に参列した子がいたことに驚く

   すっかり忘れていたんだ私は・・・・・

   お米と交換された布製のランドセルが重かった

              つづく

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茜と菫 【5】 薫誕生

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茜の誕生の翌々年1月1日

薫が誕生した

その日空には昼の月が出ていたのだろうか?

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藁葺き屋根には雪が積もっていたのだろうか?

その日のことを茜は記憶していない

2歳に満たない子には記憶のかけらさえない

              つづく

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茜と菫 【4】 茜の生まれた頃・・・

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    画像は信州 大町の土蔵の前に咲く水仙です

                茜の生まれた頃

                世の中は戦時中

          茜自身に記憶があろう筈はなく・・・・

                学童疎開もピーク

       母は子供達の面倒を見ることに明け暮れていた

                 勿論泊りがけ

                 枕投げをする子

                ホームシックで泣く子

               お腹が空いたと叫ぶ子

     それは大変な日々だったと当時を振り返っての母の話

                    つづく

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茜と菫 【3】 茜誕生

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      信州の寒い冬終わりを告げたまもない頃

       戦中の栄養不足が信じられないような

             丸々と太った女の子

              茜の誕生だった

     父が負傷して帰宅したために生まれた子だった

            父と母は祈ったと言う

            すくすくと育つようにと

        ありがとうが言える女の子であれと・・・・・

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                 1942年春

                   続く

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茜と菫 【2】 母

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              父との出会いは

      母が父の美しい姉に憬れたことから始まった

     巷では美男と美女の出会いだとうわさされていた

                 しかし

      そんな母を待っていたのは戦争と終戦による

             苦労の日々だった

               農家の仕事

         相次いで倒れた舅と姑の世話

         そんな中で母は茜を身ごもった

                  続く

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茜と菫 【1】 1942年春

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   あの日もモクレンの花は咲いていたのだろうか?

      遅い信州の春は来ていたのだろうか?

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            父は戦争の最中

   外地で乗っていたトラックごと地雷に吹き飛ばされ

      九死に一生を得て自宅に戻っていた・・・・・

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   茜と菫の姉妹の物語はここから始まりです

                 続く

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